「親業訓練(Parent Effectiveness Training:略称PET)」はアメリカの臨床心理学者トマス・ゴードン博士が提唱した方法です。直訳すれば「親としての役割を効果的に果たすための訓練」。「子どもがいかに育つか」ではなく、子どもとの「聞く・話す・対立を解く」の具体的なコミュニケーションを通して「親がいかに関わるか」に焦点を当てて学び、親子の心の架け橋づくりを勧めます。
これらの講座を開き、理解を深めていただく役目を果たすのが「親業訓練インストラクター」です。鈴木聡子さんはこの資格を、昨年8月に取得。秋田県で初めてでした。
鈴木聡子さん:1973年宮城県生まれ。短大卒業後、仙台市内で幼稚園と保育所に勤務。1998年に湯沢市出身の夫との結婚を機に秋田市に転居。2002年に長女を出産するまでの約10年間、仙台・秋田両市で保育士として勤務。4歳と2歳の女の子の母親。
―親業訓練インストラクターの資格を取ろうとしたきっかけは―
私は本当に子どもが好きなんです。私の弟が5歳下なんですが、実家の近所にも年の離れたいとこが住んでいて、昔からいつも子どもが周りにいて世話をしていたような気がします。そんな環境が子ども好きの素地を作ったのかもしれませんね。
保育士時代から「子どもたちとの接し方はこれでいいのか?」ってずっと心の中で引っかかっていました。その答えを見つけようと親業訓練を独学していました。秋田に親業インストラクターがいないことを知り、親業訓練について学びたくても学べない環境にあることに気づきました。しっかりとした知識を身につけて、きちんと皆さんに伝えたいという気持ちが芽生えました。
ちょうどその時期、様々な凶悪犯罪が頻発していました。事件が報道される度に、加害者の「心のやみ」や「愛のない生い立ち」といったことがメディアで取り上げられていました。今、子どもたちに何かアクションをしなければという思いが強くなりました。
また、私の友人が子育てで悩んでいました。友人としてだけでなく、インストラクターとして彼女を助けたかったという気持ちもありました。
インストラクターになるための受講を始めたのは、上の子が2歳になる前。下の子がお腹の中にいる時でしたから大変といえば大変でした。でも両親の協力や夫の「インストラクター目指すなら秋田で一番になれ!」という励ましもあって助けられました。(笑)
―インストラクターとして活動する手ごたえはいかがですか―
秋田で受講したい人やインストラクターの存在を待っていた人たちが多いのに驚きました。この仕事をして出会った多くの方々が私にとって大事な財産になっています。でも、忙しくなって親子の時間が短くなったせいか、上の子が寂しいというメッセージを出すようになってしまいました。そんな時こそ親業訓練が役立ってますけど(笑)。子どもとは心が通じ合えるよう、心の声を聞くことを心がけています。
―現代の子育てで感じることはありますか―
仕事を持つ母親が増えているのは分かりますが、子どもとのかかわりを持ちたがらない方が増えていると感じます。他人とのかかわりを嫌う傾向のためか、子育ての様々な情報が多すぎるのも原因かもしれませんね。今この時期しかできない子どもとのかかわりを自分で閉ざしてしまうのは本当にもったいない!と思いますね。
―鈴木さんにとって子どもとはどんな存在ですか―
パワーの源って感じです。本当に子どもが好きなんです(笑)。子どものピュアなところや笑顔や感性、感覚、すべて好きですね。ストレスがたまったり心のモヤモヤがある時なんかは子どもと遊んでいると、パアーッと明るくスッキリしますね。
―鈴木さんの頭の中はどれ位の割合が子どもに関することを考えているんでしょう―
感覚としては80パーセントくらいでしょうか。じゃあ夫のことはどれ位?と聞かれると困りますが(笑)それ以上ということで。
―秋田の子育て環境になにかほしいものはありますか―
子育てが楽しくなるような「つどいの場」がもっと沢山ほしいですね。特に核家族や転勤族の方たちが気軽に集まれる場所があればなって思います。子育てで「楽しい」と感じることって、いっしょに笑ったり、悲しんだりといった、普段の生活や身近なところで起こる小さな出来事に幸せを感じる時かなって思います。多くのお父さんお母さんに、この「小さな幸福」を感じ取ってもらいたいなって思いますね。
―これから親業訓練インストラクターを目指そうとする方にメッセージを頂けますか―
一生の間で、ほんの短い期間しかできない子育てを楽しめるようにするのが親業訓練です。いっしょに子どもを育てる喜びを伝えませんか!
子育てや子どものことを語る時、鈴木さんの目は本当にまっすぐで生き生きとしていました。秋田で子育てをしている人にとってこれほど心強いサポーターはいないなと強く感じました。今後のさらなるご活躍を期待しています。
連絡先:親業訓練協会 親業訓練インストラクター:鈴木 聡子
tel/fax 018−831−2761
e−mail miutowa-mam1234@dol.hi-ho.ne.jp
親業訓練協会hp http://www.oyagyo.or.jp/